王者ヘ告グ




むせかえる血の匂い。
その場に充満する闘気は、決着の付いた今でも、ヒリヒリと俺の肌を刺す。
中央に佇むは微動だにしない血濡れの魔獣。
まるで赤い彫像がごとく。
生きているのか、死んでいるのか。
この世のものであるのか、あの世のものであるのか。

心か身体か、どちらかしか手に入らないなら身体をくれ。
心なんて、コイツが死んじまっていようが生きていようが関係無ェ。
だから、生きてるうちしか手に入らねェ身体を、くれ。
生きて、身体を寄越しやがれ。
心なんか要らねェから。









大剣豪の名をかけた対決とサンジの心情。
鷹の目を倒したものの、ゾロも動かない。生きろと、ただそれだけを願う。
2007年ゾロ誕(テーマ「未来」)に寄せる11行文。

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